ざいもく庵は2016年にオープンした「はしば庵」でのお客様アンケートを徹底分析して誕生した新しい宿です。 ゲストさんは古民家や町家に泊まってみたいと言うご興味はあるようですが、いざ泊まってみると「冬はやっぱり寒い」「階段が急で怖い」「隣家が密着して建っているので気を使う」等々のご意見がかなり聞かれました。 また世界中からお仕事をリタイヤされたご夫婦の宿泊がとても多い事にも気付きました。 そこで私たちが考えたコンセプトは 「冬でもＴシャツ1枚で過ごせる家」 「階段を上がらなくても生活が出来る家（1階だけでも生活出来る）」 「悪天候の多い金沢なので室内に居ても金沢を感じる事の出来る家」 「テレビや音楽をある程度のボリュームで楽しみたい。」 と言ったところです。これらをすべて実現しようと思ったらどうしても従来からある「はしば庵」形式の「古い町家をリノベーション」では実現不可能です。 そこで「ざいもく庵」ではそれらをすべて実現させるためにあえて新築を選択いたしました。ただし古き良き日本の古民家の趣を充分再現した形での新築です。 現在の建築基準法や市の条例等をすべてクリアして古民家風の家を建てるのはかなりの難題でしたが、建築士さんはじめ施行会社やその他の関係者の方にはとても素晴らしい仕事をして頂きました。 ざいもく庵はそういった多くの方の手を借りて作られた宿です。他の多くの民泊が普通の「住まい」から転用して宿になっていますが「ざいもく庵」は大きさこそ普通の家とそんなに大差はありませんが、最初から「宿」に用途を絞って建てられた建物なのです。 2階の和室の襖絵について 2階の和室には皆さんには「おおっ！！」と驚いて頂いている迫力の襖絵があります。 この絵は「パラリンアート」の世界で活躍している上島佳穂子さんの描き下ろしの絵を大きく引き伸ばしてクロスメーカーのシンコールさんに特注でクロスに仕上げて頂いたものです。パラリンアートとは読んで字のごとくですが、パラリンピックのアート版と思って頂けるとイメージし易いかと思います。 この佳穂ちゃんは当社の清掃外注スタッフさんの娘さんで以前はよくお母さんと一緒に仕事についてきていました。 彼女は一見ほとんど分かりませんがちょっとだけ障害があります。しかし彼女には絵の素晴らしい才能があります。 彼女はきれいな物、美しい物を見ると周りが全然見えなくなって絵を描く事に没頭するそうです。 だから彼女の描く絵にはバック（背景）が黒いものが多いのですね。それが原色を使った花や金魚を見事に浮かび上がらせてドーンと迫ってくるようです。私はこの絵が「ざいもく庵」に魂を吹き込んでくれたと思っています。 皆さんぜひ２階に上がって鑑賞してみて下さいね。

世界中のツーリストの皆さんこんにちは。 私は本業は不動産業ですが、趣味が高じて一棟貸切の宿を作ってしまいました。 金沢には金沢の良さがあります。古い町並みや建築物、伝統工芸や茶道、禅、能などがギュッと凝縮された街。それが金沢です。 観光名所のほとんどが歩いて廻れるコンパクトさは金沢の魅力の一つだと思います。 私自身もしばらく茶道をやっていた経験から大きくて立派なホテルも魅力的ですが金沢ならではのコンパクトな貸切宿に金沢の魅力をコンパクトに詰め込んでみたいと思いました。 私の茶道の師匠は残念ながらお亡くなりになりましたが、1対1で兼六園を眺めながらお点前の稽古を受けていた時間は忙しい仕事の後でもあったので、とても貴重な時間でした。 金沢は茶の湯の町でもあります。ぜひ金沢に来たら何処かで茶道を体験してみて下さい。 金沢の魅力がまた違った形で伝わると思います。